日常健康チェック
四十肩・五十肩
どんな病気?
いわゆる四十肩・五十肩を含む肩関節周囲炎をいいます。
40・50歳ころの中年以降に発生する、肩の痛みと運動制限を主とするもので、加齢による筋力の衰えが基盤となる病気です。
肩関節はヒトが二足歩行を始めたために得ることが出来た特有な形態と機能を持っていて、上肢は自由に運動出来、犬や猫に見られない機能をもっています。
それだけに首肩腕の筋肉の負担が重くなり、痛みや動きに支障をきたす障害がおこりやすいのです。
痛みは肩の部分に生ずるが、腕の方まで痛みを訴えることもあります。
主として鈍痛で夜間や冷えたときに痛むことが多い。動きとしては髪をとくとき、電車のつり革を持つとき、車のルームランプを点けるとき、手を後ろに回し帯びを結ぶ時など、決まった方向に動かすときに痛みが出ることが多い。
四十肩、五十肩ともその症状が出たときの呼び方で同じような痛み、経過です。
どうして起こる?
個人差があり、40歳から50歳にかけて筋力の低下が著しく現れ、特に背筋力の低下が見られ、気づかぬうちに発症します。
時として、外傷やきっかけになったりします。また、運動不足などによる筋力不足や肩を中心に冷えたことが原因ということもあります。
どんな治療法がありますか?
急性期、慢性期とも局所の安静に努めること。
急性期の熱感があるときにアイシングをすることがあるが、経過が長く動かす方向により、痛みがあるときは冷やさないよう注意する。
このような時は温シップ、入浴、肩当て、温泉療法等が有効です。
我慢できない強い痛みがあるときは、医師の診察を受けてください。
痛みの程度により消炎鎮痛剤、筋弛緩薬等が処方されます。さらに末梢循環改善薬や安定剤が処方されることもあります。注射療法もあります。
命にかかわる病気ではありませんが、気長な治療が必要な病気です。
軽い運動や散歩などで気分転換を図ることも重要です。
内服薬の消炎鎮痛剤には効果以外に消化器への副作用がたまにあります。
必ず医師、薬剤師に早めに相談、指導を受けましょう。