日常健康チェック
女性化乳房について
薬で男性の乳房が腫れたり、痛んだりすることがありますか?
本来、男性の乳腺や乳房は女性のように発育しないが、ときに病的に乳輪直下にシコリや女性ほどの脂肪組織の発達はないが乳房の発育がみられたり、 痛みを感じることがあります。
このような男性の女性化乳房には、思春期の生理的な変化によるもの(思春期の男児の60%程度に一時的にみられるもので、心配のいらないもの)、 男性の更年期に生じるもの、肝障害等による内分泌や代謝異常によるもの、薬によるもの等があります。薬剤によるものは、 そのうちのおよそ20~30%程度であろうといわれています。
女性化乳房を引き起こす可能性のある代表的な薬剤としては、女性ホルモン剤、強心剤のジギタリス剤、 降圧利尿剤のスピロノラクトン、降圧剤のレセルピン、メチルドパ、ニフェジピン、抗結核薬のイソニアジド、抗潰瘍剤のスルピリドやシメチジン、抗アレルギー剤のオキサトミド、 抗けいれん薬のフェニトイン、カルバマゼピン、胃腸運動賦活剤のドンペリドン、メトクロプラミド、抗真菌剤のグリセオフルビン、向精神薬などが知られています。
これらの女性化乳房は軽度であることが多いので、あまり心配いらないことが多いのですが、男性乳癌や他の内分泌系疾患との鑑別を行う必要があります。 また、薬剤が原因であれば、女性化乳房を誘発しない替りの薬剤があるかどうかなどを判断する必要があります。早々に処方医にその旨伝えて下さい。 たいていの場合、薬剤を中止すると1~3ヵ月で治るようです。