日常健康チェック
尿失禁
尿失禁とは?
尿失禁とは、膀胱や尿道、脳や神経などがうまく連携し働く排尿の制御機能が、何らかのトラブルにより正しく働かなくなった状態を言います。
尿失禁を「恥ずかしい」「年のせい」「人に言えない」と言った理由で隠したがる傾向があり、一般に病気であることが認識されていません。 女性の場合、20~60歳代の約35%(30歳代31%、40歳代48%、50歳代46%)の方が尿失禁の経験者だといわれ、悩んでいる人が増えていますが、 尿失禁は「なって不思議ではないもの」くらいと思い、積極的に立ち向かってほしいものです。
尿もれパッドをすることにより、心配が薄れ行動範囲が広くなったり、今まで出来なかった軽い運動も可能となったり、日常生活に張りが出たと喜んでいる人も大勢います。
尿失禁はどうして起こるの?
その原因はさまざまですが、自分の意思と無関係におしっこがもれてしまう尿失禁は、加齢や出産に伴う尿道などの筋力の衰え、脳血管機能や膀胱炎、結石などによる尿道の機能低下、やストレスがあります。
「人前でもらしたらどうしよう」などといった不安がかえって悪化させてしまう例もあります。精神的な面によることも大いに関係あります。 症状により「腹圧性」「切迫性(急迫性)」「溢流性」の三つのタイプの尿失禁に分けられます。
「腹圧性尿失禁」:
女性に多く、出産などで骨盤底筋群が緩んだり、肥満によって膀胱や子宮が圧迫されたり、加齢とともに女性ホルモンの分泌が低下して尿道括約筋が弱くなり、尿道を締めにくくなるために尿もれを起こしてしまう。くしゃみ、咳、急に立ち上がった時、激しく怒った時などによく尿がもれてしまう。
「切迫性尿失禁」:
男性や高齢者に多く女性では「腹圧性」についで多い。膀胱の容量が少なく、尿がある程度たまると急に尿意をもようし勝手にもれてしまう。一日に10回以上トイレにいくほどの頻尿があり、我慢出来ずに尿もれを起こす。男性では前立腺肥大、女性では膀胱炎が原因になることがある。
「溢流性尿失禁」:
前立腺肥大で尿路の下部が狭くなり排尿困難を起こした場合や子宮がん、直腸がんなどの手術、糖尿病やアルコール中毒などで膀胱の末梢神経が障害を受けた場合などに起こる。膀胱内の尿は細菌が繁殖し易く尿路感染症を引き起こし、腎臓にも悪影響を及ぼす。 常に残尿感があり、尿が溢れるようにでます。
どんな治療があるの?
「腹圧性尿失禁」では、正しい姿勢で「歩く」運動を行う。腹筋を鍛え、廊下を防ぐことにも役立ちます。
軽度、中等度の場合は肛門を締めたり、緩めたりする運動を朝夕20~30回くらい毎日続け、括約筋を鍛えます。
「切迫性尿失禁」では、トイレに行く時間を少しずつ我慢する膀胱訓練を行う。
そのほか
薬物療法:膀胱収縮を抑える薬物療法や薬物療法と併せて行う電気刺激療法があります。
手術:場合によっては手術を行う場合もあります。
いずれの場合も専門の医師の診察を受けることをお勧めします。
薬を服用する場合には、薬剤師の服薬指導を受けてください。
また、松戸市から介護用品支給事業として、要介護認定3,4,5の方で在宅介護されている方に、オムツ券が支給されます。
『松戸市薬業会』はこの事業に協力しておりますので、薬局・薬店でいつでもご相談下さい。