日常健康チェック
いぼ(疣贅)の話
いぼとは?
“いぼ”は医学用語で”疣贅(ゆうぜい)”と呼び、色々なタイプのウィルスが引き起こす一種の感染症で、ウィルス性疣贅といいます。
ウィルス性疣贅(ゆうぜい)は尋常性疣贅、伝染性軟属腫(水いぼ)、軟属腫疣贅が主なものです。
尋常性疣贅は比較的子供に多く、手足の関節部分や末端に良く出来る”いぼ”です。単発または散在性に多発しますが、集族性のものは難治性といわれます。
伝染性軟属腫はいわゆる”水いぼ”と呼ばれ、小児に好発するタイプでアトピー性皮膚炎児に特に多い。
扁平性疣贅は青年期に多いので青年性扁平疣贅と言われるくらいです。中でも女性に好発し、手背や顔面が好発部位で、比較的難治性の”いぼ”です。
老人性”いぼ”のうち首のまわりによく出来る”いぼ”は角化症で、ウィルス性ではありません。
加齢と共に増えますが予後は良好です。 “いぼ”は自覚症状はない。感染症で接触感染タイプですので公衆浴場やプールで直接接触がなければ感染は少なく、むしろ自分で傷つけての浸出液による感染が多いのです。
どんな治療があるの?
古くからある漢方薬のハトムギまたはヨクイニンなどがよく用いられますが、”いぼ”が増え続けるときや薬を服用しても直りにくいときはすぐに皮膚科の専門医に診てもらい、適切な治療を受けてください。
専門医では、液体窒素(-196℃)で冷たくする(多少の痛みは伴うが)療法があります。1回/週くらい通院し5~10回位から何ヶ月も通院する人もいますが、大人より子供のほうが治りやすい傾向があります。
普通、皮膚の部分では比較的治り易やすく、かかと踵などの皮膚が硬い部位では多少時間がかかります。その他には、硝酸銀溶液外用、20%グルタールアルデヒド外用などを用いる療法がありますが素人療法は禁物です。
気をつけたいことは?
自覚症状がなく、命にかかわる病気ではありませんが、ブツブツは不快なものですし、美容上気になることもあります。
魚の目やたこ胼胝と間違えてほじくったりすると、浸出液により拡大感染しますので十分注意しましょう。さらに傷つけた後は他の細菌による二次感染を引き起こす危険性もありますのでこれは止めるべきです。